SCMの概要(ERP・SCM・SCP)(サプライチェーン・マネジメント)
(1)ERP・SCM・SCPの違いは何か?
サプライチェーンとは、素材メーカー、部品メーカー、組み立てメーカー、流通メーカー、小売メーカーなどを構成する人達です。
広義のSCM(サプライチェーンマネージメント)は、このサプライチェーン全体を顧客へ最良の価値を提供し企業として利益の増大をはかることです。
狭義のSCM(サプライチェーンマネージメント)は、個別企業内の購買・生産・配送・販売・決済といった一連の流れを対象とします。
ERPは、MRP及びMRP?をベースにして個別企業内を効率的に一元化して一連の流れを作る狭義のSCMをおこなうパッケージソフトです。
ERPでは、その中核をなす生産計画はMRPの概念で行なわれていますが、機能的には十分では無いため計画に特化したパッケージソフトが開発されました。
それがSCP(サプライチェーンプランニング)です。
SCPはMRPの概念ではなく、かんばん方式の概念で出荷・生産計画を立てています。
SCP(サプライチェーンプランナー)は、SCM(サプライチェーンマネジメント)の中核のソフトウェアで各工程、在庫に対して最適な生産計画、出荷計画を作成するシステムです。
トヨタのカンバンシステムは最終工程からカンバンで引っ張り方式により前の工程に順に必要数量が連絡され生産されていますが、SCPではこの作業を全工程・事業所に対して、コンピュータで瞬時に、計算し最適な結果をだします。
(2)SCMを構成する4つの要素
(3)SCPの考え方
SCPのモデルとは、まず企業の生産活動を、工程と在庫に分けます。
顧客からの受注情報が入ると、SCPは顧客の納期に合わせて、在庫が最小になるように原材料の入荷状況をみながら、各工程の機械生産能力、歩留まり、カレンダー、サイクルタイムなどの生産情報、人員配置、人員計画、品質情報を基に、最適な生産計画、輸送計画を作成します。
(4)SCPの導入ステップの例
以下に、SCPを導入する一般的なステップを説明します。
- 何故導入するのかを明確にする。
- ストラテジー(戦略)を明確にする。
- どのような組織で導入するかを決めます。
- かかるコスト(人員、ハード、ソフト、コンサルタント料金など)リストアップ)します。
- 具体的な機能を明確にします。
- SCPのソフトウェアベンダーをリストアップします。
- 最適なSCPのソフトウェアベンダーを選択します。
- SCPソフトウェアの勉強をします。
- どのように、どんなステップでいつまでに導入するかきめます。
- ビジネスプロセスチェンジを明確にします。
- 詳細な要求事項を明確にします。
- 要求機能のすり合わせをおこないます。
- 詳細な、ビジネスプロセスチェンジをリストアップします。
- SCPを動かすための、情報(データ)を整備します。
- SCPのシステム作成。プログラミングをおこないます。
- システムテスト・ユーザーアクセプタンステストをおこないます。
- データ準備およびコンバージョンをおこないます。
- マニュアルを作成します。
- トレーニングをおこないます。
- オペレションスタートです。
- 導入後の、サポート体制をつくります。
(5)何故SCPを導入するのかを明確にする(導入目的)
●最初に、何故SCPを導入するのかを明確にすることが重要です。
最近のSCM(Supply Chain Management)のブームにより、導入することにより経営体質が改善されたとか、ROA・ROE(総資産利益率:株主から預かった資金を使ってどの程度利益をあげたか)が改善されたとかの風評に踊らされることがなく、SCPの現状や内容を理解した上で何故導入するのかを明確にすることが重要です。
一般的には、
- 在庫の低減
- サイクルタイムの低減
- 需要・受注の変動に迅速に対応
- スループットの向上
- 以前は2000年問題があった
- システム改善をおこなうには既存のシステムではコストがかかりすぎる。
- クライアントサーバーのテクノロジーがない
などです。
但し、そのための前提条件として
各工程、原材料、製品、機械・設備などの生産情報、受注情報、在庫情報が適時に正しく把握されているかが重要です。
ガーベージイン・ガーベージアウトとも言われどんなよいソフトでも入力が、ごみだと出力もごみになってしまいます。